【現地レポート㉑ / 男子準決勝】夏からの4ヶ月を凝縮した2024年のラストゲームへ
2024年12月28日
SoftBank ウインターカップ2024も残すところ、明日の男子ファイナルだけになりました。男子のファイナリストは福岡大学附属大濠 (福岡①) と鳥取城北 (鳥取①) です。
男子・準決勝の第一試合では、福岡大学附属大濠が高校総体 1 位の東山 (京都①) を 84-58 で下して、2 年連続でのファイナル進出を決めました。
敗れた東山の大澤徹也コーチは第一声、「(福岡大学附属大濠は) 強かったです。その一言に尽きます」と発しました。
「ウチのバスケットがどうこうと言うよりも、今日は大濠さんの完成度を褒めるべきじゃないかなと思います」
前日、藤枝明誠 (静岡①) との 1 点差のゲームを制した東山には、その疲労もあったはずです。むろんそれを直接の敗因に挙げることはしませんが、そこはやはりウインターカップです。「真の日本一を決める大会」と言われるだけあって、勝ち上がっていくごとに困難は深まっていきます。蓄積される疲労と戦いながら、比例するかのように対戦相手のレベルも上がっていくのですから、その道は本当に険しいと言わざるをえません。
大澤コーチは今大会の福岡大学附属大濠について、こうも言います。
「夏はまだ個々が連動している感じでしたが、冬に見たときには “ チーム ” になっていました。チームとしての完成度が非常に高かったです」
日本 A 代表に選出された #8 渡邉伶音選手を筆頭に、ダブルキャプテンの #7 見竹怜選手と #13 湧川裕斗、#14 高田将吾などタレント豊かな選手が多くいる福岡大学附属大濠。しかしタレントに頼ることなく、それをチームとして昇華させることでウインターカップのファイナルまで勝ち上がったのです。
準決勝の第二試合では、鳥取城北が前回大会の優勝校、福岡第一 (福岡②) を 81-58 で下して、鳥取県勢として初のファイナル進出を決めました。
大会史上 3 度目となる、福岡県勢同士によるファイナル進出を目指した福岡第一ですが、井手口孝コーチも記者を前に「完敗でした」と認めます。
実を言えば、福岡第一はキャプテンの #77 八田滉仁選手と、ツーガードの一角・#33 宮本聡選手が前夜、体調不良に陥り、今朝の練習もキャンセルしたそうです。むろん、それは負けたあとの言い訳に過ぎないと認め、そうしたアクシデントも含めてウインターカップだから「コーチとしての不徳の致すところです」と、井手口コーチは言います。
「(鳥取城北とは)今年は一度も対戦していません。#28 (ハロルド) アズカくんを含めてシュート力のあるチームですが、昨夜は体調不良者のケアに追われて、十分に準備ができませんでした」
堅守速攻を旨とする福岡第一にあっても、しっかりと準備ができなければ容易に綻びが出てしまいます。それを、取り返しのつかないほど大きな穴にまで広げられるところも、鳥取城北の強さと言えます。#28 アズカ選手を含めた 5 人の選手が、福岡第一を相手に 2 桁の得点を挙げられていることは、それを証明しています。
今大会の公式プログラムの表紙には「いちばん高いところまで。」のキャッチコピーが入っています。一番高いところまで駆け上がるのは、3 年ぶり 4 回目の優勝を狙う福岡大学附属大濠か、それとも初優勝を目指す鳥取城北か。
福岡大学附属大濠と鳥取城北は高校総体の準々決勝でも対戦していて、そのときは 66-56 で福岡大学附属大濠が勝っています。
ただ、冬の彼らは、いずれも夏の彼らではありません。彼らの 4 ヶ月が凝縮された男子ファイナルは明日、12月29日 (日) 12時ティップオフです。