SoftBank ウインターカップ2024 第77回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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【現地レポート⑱】偉大な先輩に追いつけ、追い越せ――藤枝明誠の 2 年生エース #19 野津洸創

2024年12月27日

 試合時間残り 4 秒、東山(京都①)に逆転を許し、藤枝明誠(静岡①)の 2 年連続での準決勝進出は叶いませんでした。

 SoftBank ウインターカップ2024の男子準々決勝、インターハイ覇者の東山に挑んだ藤枝明誠は、試合序盤から先行。5 点リードで迎えた後半は、一時10点近くのリードを奪いました。

 しかし、第 3 クォーター終盤から東山に点差を詰められると残り 2 分を切って同点に。それでも残り17秒には #31 金子來樹選手がシュートを沈めて再び 2 点のリードを奪いましたが、その後、東山に 2 度、フリースローの機会を与えてしまい、最後は 82-83 と 1 点及ばず敗退となりました。

「最初のほうはドライブに行けて良かったのですが、最後のほうになると焦ってしまって。自分のプレーができなかったと思います」

 このように自身の出来を振り返ったのは藤枝明誠の #19 野津洸創選手です。野津選手はディフェンスでは相手のポイントゲッターである #11 佐藤凪選手をマークし、オフェンスでは同じく得点源で東山のエース #5 瀬川琉久選手のマークを受けました。

 ディフェンスに関して金本鷹コーチは、「野津はサイズがあるし手も長いので、ちょっとでも (相手に) ストレスを与えたいと思っていました。野津はインターハイのときも福岡第一戦で (ガードの) 宮本兄弟に付いているし、小さい選手も守れるビッグマンにも成長してくれたので、そこは安心して任せました」と、その理由を教えてくれました。

 野田選手自身は、「ディフェンスは (東山の佐藤) 凪選手のほうが全然僕よりいい選手なので、チームとして研究したことを元に、止められるところを (確実に) 止めようという感じでした。オフェンスでは、金本先生もおっしゃっているのですが、このチームは自分がクリエイトするチームなので、果敢に行こうと思っていました。でも、瀬川選手のディフェンスがうまいというか、自分のミスが多くなってしまったと思います」と、振り返ります。ただ、試合では #99 ボヌ ロードプリンス チノンソ選手の24得点に次ぐチームで 2 番目となる18得点を叩き出しました。

 マッチアップした瀬川選手とは中学時代に兵庫県のクラブチームであるゴットドアでチームメート。一学年上の瀬川選手について野津選手は、「中学 2 年生の頃は本当に歯が立たなくて、一緒に試合に出るのに値しないぐらいの差がありました。でも、それぞれ違うチームに行き、ここで試合ができたことは自分にとってすごくいい財産だと思います」と、言います。今回の試合では瀬川選手のディフェンスを振り切りシュートを決めるシーンもありました。それだけに、「この経験をしっかり生かしていければ」とも語りました。

「1 年生から試合に出させてもらっていて、その昨年の経験というのは本当に感謝しかありません。そういった経験が自分の力につながっていて、(今年は) 勝たせないといけない立場になっていたのに (負けてしまい) 本当に申し訳ない気持ちです」

 試合後は悔し涙を流していた野津選手。ただ、高校ラストイヤーとなる来年に向けて問われると、「日本一しか目指してないので、日本一、獲ります」と頼もしい言葉を発し、さらなる挑戦に向けて気持ちを新たにしていました。

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