【現地レポート⑰ / 女子準決勝】大会 3 連覇か、初優勝か――チャレンジングな女子ファイナリストが決定
2024年12月27日
SoftBank ウインターカップ2024の女子ファイナリストが決まりました。京都精華学園 (京都①) と慶誠 (熊本) です。
準決勝の第 1 試合、京都精華学園が対戦したのは精華女子 (福岡①) です。最後の最後までわからない白熱したゲームは 72-70、1 ゴール差で京都精華学園が精華女子を振り切りました。
「昨日の試合 (準々決勝) はコミュニケーションが取れないことが原因で苦しい展開になりました。今日はそれをしっかり修正しようと、全員が積極的に言葉を掛けようと話していたので、そこが今日の展開でも勝ちきれたポイントだと思います」
京都精華学園のキャプテン、#4 林咲良選手は僅差のゲームをそう振り返ります。
今年の京都精華学園は、もちろん力のある選手はいますが、突出した力を持っている選手がいるわけではありません。だからこそ、ベンチメンバーも含めて、全員で戦っていくスタイルを取っています。コートに立つメンバーも状況に応じて、随時、変化していきます。そこにはコミュニケーションが必要不可欠なのですが、それを大会を通して、すべてのチームに追われるなかで、身につけていっているのです。
明日は 4 大会連続となるファイナルの舞台です。1 年生のときからその舞台を経験し、3 年生の今年はキャプテンとして迎える #4 林選手は言います。
「明日は泣いても笑っても最後の試合になるので、ベンチ以外の子も、ベンチメンバーも、スタメンも全員が、絶対に『勝ちきる』という気持ちで……日本一を目指すということは、気持ちが大きいほうが勝つと思うので、しっかりと全員バスケットで戦っていきたいと思います」
準決勝の第 2 試合は、初のファイナルを目前にした慶誠 (熊本) が、6 大会ぶりのファイナル進出を目指す大阪薫英女学院 (大阪) と対戦。序盤からリードを奪った慶誠が、大阪薫英女学院の追い上げをかわして 78-65 で勝利しました。
「信じられないくらいうれしいです」
開口一番、そう言ったのは慶誠のキャプテン、#12 岸希選手です。試合は上記のとおり、大阪薫英女学院に何度も追い上げられますが、そのたびに押し返す強さが慶誠にはありました。
「最初から私たちがリードしていたので、追い上げられることも想定内でした。そういうときに一つひとつのプレーを大事にしようと話していたので、そこが最後までやりきれたことは、本当にチームの力がついてきているなと実感できます」
慶誠は今夏のインターハイでもベスト 8 に入っていますし、ウインターカップでも前日に岐阜女子 (岐阜①) に競り勝つなど、トーナメントを勝ち上がるのに必要な勢いと、チームの総合力を上げてきています。
決勝戦の対戦相手である京都精華学園とは「U18日清食品トップリーグ2024」で対戦し、そのときは 69-61 で勝っています。「U18日清食品トップリーグ2024」を制した京都精華学園が唯一敗れた相手が慶誠でした。
そのときと比べてもチームは成長していると #12 岸選手は胸を張ります。
「一番成長を感じるのは気持ちの部分です。自信がついてきたら、私たちはどこまででも行けると自分たちで信じているので、それがこのウインターカップでも出ているように思います」
そのうえで明日のファイナルについても、言及します。
「私たちはチャレンジするだけです。チャレンジャーとして悔いが残らないようにすべてをぶつけて、最終的に勝ちという結果を取りたいと思います」
女子として史上 2 校目となる大会 3 連覇か、それとも初優勝か。後者であれば県勢としても初優勝で、18大会ぶりの九州勢のウインターカップ制覇になります。いずれにしても、チャレンジングなファイナルになることは必至です。