【現地レポート⑫】キャリアを大きくステップアップさせた高校3年間──日本航空 #30 大道一歩
2024年12月25日
「SoftBank ウインターカップ2024」は、大会 3 日目を迎え、いよいよ男子のシード校が登場。1 回戦で仙台大学附属明成 (宮城) との大接戦を勝ち抜いた日本航空 (山梨①) は、第 2 シードの福岡大学附属大濠 (福岡①) に挑みました。
序盤はまったくの互角。日本航空は #30 大道一歩選手がドライブやジャンプシュートでタフなディフェンスをかいくぐって得点を重ねると、対する福岡大学附属大濠はピック&ロールやドライブからのパスアウトで #13 湧川裕斗選手を中心に得点。第 1 クォーターは 16-20 と福岡大学附属大濠がリードします。
しかし、第 2 クォーターに入ると流れは福岡大学附属大濠に傾きます。日本航空は #23 オルワペルミ・ジェラマイア選手のファウルトラブルと相手ディフェンスの圧によってリズムを崩し、得点が止まります。その間に福岡大学附属大濠は着実に得点を積み上げ、ハーフタイムで22点差 (31-53)。リバウンドでも 13-24 と大きな差が付きました。
後半に入ってもなかなか打開策を見いだせない日本航空。要所で #33 早川慧我選手の 3 ポイントシュートやジェラマイア選手のバスケットカウントなどで食らい付きましたが、福岡大学附属大濠の背中を捉えるまでには至らず。最終スコア 64-88 で悔しい 2 回戦敗退となりました。
「勝ち上がれば大濠さんとやることは分かっていて、倒すならこの場所 (2 回戦) が自分たちにとってもチャンスがあるのかなと思っていたので、組み合わせが決まってからは意識していました」。試合後、大道選手はこの 2 回戦を一つの山場とみて、大会までの期間を過ごしてきたと認めました。そのうえで、「ジェリー (ジェラマイア) は (#8 渡邉) 伶音とのマッチアップで厳しくなると思っていたので、そこで自分が点を取りにいけたらと思ってプレーしていました」と、試合を通して 3 ポイントシュートを14本、2 ポイントシュートを16本と、いつも以上に多くのシュートを放ち、最後まで積極的な姿勢を見せました。
それらのシュートが決まっていた序盤は接戦を演じることができていましたが、「相手のプレッシャーが上がるにつれて、どんどん自分のシュートが落ちてしまいました」と大道選手。チームハイの25得点を記録したものの、成功率を見ると 2 ポイントが 43.8%、3 ポイントが 14.3% と彼にとって納得できるものではありませんでした。
ただ、昨年度のインターハイ制覇をはじめ、日本航空での 3 年間で大道選手が大きくステップアップしたことは事実です。特にインターハイ優勝以降の 1 年半は全国の猛者たちからもマークされる存在となり、過酷な環境下でトップ選手とも渡り合う確かな力を付けました。「僕は中学時代は全国的にはまったく名前の上がるような選手ではなかったのですが、日本航空で去年のインターハイ優勝などを経験できて、(キャリアにおいて) すごく良い経験ができた 3 年間でした」と大道選手。
高校を卒業しても、彼のバスケットボールキャリアは続きます。今回勝ち切れなかった悔しさと、より激しいプレッシャーの中で戦っていくための心技体の準備──これを今後のキャリアの課題として、さらに飛躍してもらいたいです。