【現地レポート⑭】桜花学園 #4 阿部心愛「結果は出なかったけれど選択は間違いではなかった」
2024年12月26日
大会 4 日目を迎えた SoftBank ウインターカップ2024 の女子準々決勝。ベスト 4 進出を懸けて精華女子 (福岡①) と対戦した桜花学園 (愛知) は、最後までクロスゲームを繰り広げたものの、65–66 で試合終了の時を迎えました。一昨年、昨年に続き、またしても “ 1 点差 ”。どちらに勝負が転んでもおかしくない試合でしたが、ほんの僅かな差で明暗は分かれました。
序盤、堅いディフェンスや #7 金澤杏選手の得点で先手を打ったのは桜花学園。しかし精華女子も、#7 下川蒼乃選手のドライブや #44 アキンデーレ タイウォ イダヤット選手のゴール下シュートなど、しっかりとペイントアタックして反撃します。互いに24秒を守り切るような息詰まる攻防が繰り広げられ、結局 50-50 と同点でラスト10分間へ。
第 4 クォーター、開始早々に桜花学園は #4 阿部心愛選手がドライブでバスケットカウントを獲得し、流れを引き寄せます。その後もディフェンスの手を緩めず、#6 白石弥桜選手らの得点で残り 5 分半、リードを 5 点に広げました。しかし、インサイドを警戒してディフェンスが収縮した隙に、精華女子に素早い連係で得点を許します。阿部選手のドライブなどで対抗したものの、残り 1 分、イダヤット選手にバスケットカウントを決められて 65-66。最後は、精華女子の激しいディフェンスを前にミスが出て、再逆転はなりませんでした。
昨年に続き、桜花学園は “ 鬼門 ” の準々決勝で敗れてメインコートにはたどり着けず。阿部選手は試合終了時、気丈にふるまっていましたが、取材時には悔しさに目を赤くしていました。試合を振り返り、「リバウンドや、ポストアップに対するディフェンスを全員で徹底できなかったですし、オフェンスもキャッチミスなどターンオーバーが多かったので、そこが負けた原因だと思います」と反省点を絞り出します。
しかし、結果は伴いませんでしたが、キャプテンとして40分間、常にプレーや声かけでチームを引っ張ったことは間違いありません。「4 番を背負っていたこともあったし、ベンチに入れていない 3 年生の子もいる中で、『自分がやらなければいけない』という思いでした」と阿部選手。
桜花学園で過ごした 3 年間で、「メンタル面がだいぶ強くなったと思います」と自身の成長には胸を張ります。プレー面でも「もともと 2 番ポジションだったのですが身長も伸びて桜花学園では 3 番ポジションになり、ポストプレーもやるようになりました。中も外もどちらもできるようオールラウンドに育ててもらったので、感謝しかないです」と、将来につながる得難い経験を積んだようです。
今から 3 年前、双子の妹・友愛選手 (聖和学園) とチームを離れ離れになってでも、地元を離れて桜花学園の門をたたくことを決めた阿部選手。自身の選択についてこう語り、高校 3 年間を締めくくりました。
「3 年間、厳しい環境の中でみんなで切磋琢磨できて成長できましたし、この選択は間違っていなかったと思います。結果は出なかったですが、みんなで頑張った過程は宝物です」