SoftBank ウインターカップ2024 第77回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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REPORT 現地レポート

【現地レポート⑦】日本一への挑戦はつづく ──東海大学付属福岡 #20 チャラウ アミ

2024年12月24日

 目標に掲げる日本一への道は容易なものではありません。東海大学付属福岡(福岡②)にとって、それを改めて痛感させられる試合になりました。同時に、前々回大会の桜花学園(愛知)、前回大会の大阪薫英女学院(大阪)に続く、3 度目の伝統校撃破とはなりませんでした。

 SoftBank ウインターカップ2024の女子 2 回戦。前日、日本航空北海道(北海道①)を破って勝ち上がってきた東海大学付属福岡は、第 2 シードの岐阜女子(岐阜①)と対戦しました。東海大学付属福岡は今夏の高校総体ベスト 4、岐阜女子は同 2 位のチームです。その後の両県予選の結果と、今大会の組み合わせ抽選によって生まれた結果とはいえ、2 回戦としては贅沢すぎるカードです。

 この試合の前、東海大学付属福岡の宮崎優介コーチは「この試合のためにいくつか準備をしてきたことがあります」と言っていました。それが奏功し、第 1 クォーターは 13-8、前半を折り返した時点でも 29-25 でリードしていました。
 しかし、相手は岐阜女子です。前半の戦いからしっかりアジャストし、後半の戦い方を修正します。すると東海大学付属福岡の得点が完全に止まってしまいます。
「ボールを受けるところで、#9 浜口 (ゆず) へのディフェンスが厳しかったですし、#12 根間 (芙奈) と #20 チャラウ (アミ) のツーメンゲームも、相手のセンターの圧に #12 根間が状況判断のミスをしてしまいました」
 逆転を許した第 3 クォーターの10分だけを見ると 4-12 です。第 4 クォーターに一時 2 点差まで詰め寄りますが、最後は 46-50、あと一歩及ばず、2 回戦敗退となりました。

 上記のような反省点は、そのまま来年以降の新たな課題にもなります。厳しいディフェンスで思うようにボールを持てなかった #9 浜口選手も、ツーメンゲームでミスをした #12 根間選手もまだ 2 年生。この悔しさが返せる場所があるのです。

 ただ、#20 チャラウ選手は違います。彼女は 3 年生。今大会、登録されている 3 年生は 4 人です。うち、#15 伊東友莉香選手はケガの影響でプレーすることができず、#17 吉兼なるみ選手と #18 宮崎愛弥選手は、前日、今日と、競り合った展開ではコートに立てませんでした。結果として、今大会のコートに立った 3 年生は #20 チャラウ選手 1 人です。

今大会ではキャプテンも務めました。セネガルから来て 3 年、彼女の成長を宮﨑コーチはこう振り返ります。

「技術以上にメンタルがすごく成長しました。今日の試合のベンチでも、チームメートに『こうしていこう』とリーダーシップを発揮してくれていましたし、僕との会話でもいろんなことを共有できたことはよかったと思います」

 身長188㎝。高校女子バスケ界ではトップレベルの高さを有しますが、留学生であるか否かを問わず、やはり身につけるべき技術と体力と心を鍛えなければ、全国大会の、しかも強豪と呼ばれるチームを相手に、よいプレーはできません。#20 チャラウ選手もトランジションオフェンスでは先頭を切ってリムランし、ディフェンスでは、その高さもさることながらポジションファイトもしていました。

 そこには彼女なりの思いもあります。

「今、伊東、ケガで出られない。私だけが試合に出ている。3 年生のみんなの分、私がやりたい」

 けっして流暢とは言えませんが、彼女の発する日本語のなかに、彼女のチームへの思い、3 年生を代表する責任のようなものも感じます。

「1 年生のときは (ファール) アミナタさん (現・日本経済大学 2 年)がいて、あまり出ていかなかった。2 年生と 3 年生で (試合に) 出て、ポストアップができるようになったし、リムランでもよく走れるようになった」

 技術も体力も、そして心も成長した 3 年間。目標に掲げていた日本一はついに達成できませんでしたが、その目標は春から進む大学で叶えたいと #20 チャラウ選手は言います。
 

 日本一への挑戦は東海大学付属福岡の後輩たちがこれからも思い描き続ける目標でもあります。
 その道を究めることはけっして簡単なことではありません。しかし、だからこそ、高校生たちが挑み続けることに価値はあるのです。

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