SoftBank ウインターカップ2024 第77回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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【現地レポート⑧】華やかさに泥臭さが加わった “ 松聖のエース ”──三田松聖 #17 渡部陽美

2024年12月24日

「SoftBank ウインターカップ2024」の大会 2 日目。女子 2 回戦で府立鳥羽 (京都③) と対戦した三田松聖 (兵庫) は、序盤からエースの #17 渡部陽美選手と #7 東奈那選手を起点に得点を積み上げ、最終スコア 106-53 で勝利。3 回戦へと駒を進めました。

特筆すべきは 2 ポイントシュート試投数で、87本は府立鳥羽より30本も多い数字。3 ポイントシュート (23対20) やフリースロー (21対21) の試投数はほぼ同等なだけに、いかに三田松聖がレイアップを含むペイントアタックを積極的に行ったのかが分かります。前述した渡部選手や東選手をはじめ、ガードからセンターまでのすべてのポジションの選手がポストアップで攻められ、そこからのフィニッシュやファウルを受けてのフリースロー、セカンドチャンスポイントなどで、そこまでサイズ差がない府立鳥羽を圧倒しました。

「マッチアップの状況をちゃんと選手たちが判断してミスマッチをきちんと突きながら、相手の弱いところを攻めていったので、判断力がすごく付いたと思います。特に後半は練習でやってきたことが全部出ました」と会心の勝利を喜んだのは初洋志コーチ。フィジカルや体幹の強さ、相手を押し込むスキルなどのファンダメンタルを鍛え上げた成果が如実に表れた一戦となりました。

2 桁得点 5 人を筆頭に、出場した15選手中12選手が得点するチームバスケットを見せた中でも、そのトーンをセットした渡部選手の序盤の活躍は見事でした。多彩なドリブルワークからのジャンプシュートやポストアップ、さらにはリバウンドでも存在感を放ち、13得点、10リバウンド、4 アシスト。

特に夏から力を入れてきたリバウンドについては「自分たちよりも大きな相手に対しては白箸 (#77 白箸空知) だけではリバウンドを取り切れない部分があったので、そこで自分がリバウンドに行くことによって、こぼれ球やルーズボールをマイボールにできる可能性が出てきます。そこは夏から冬にかけて意識してできていて、その成果が試合でも出せています」と自信を見せます。初谷コーチも「彼女自身が派手なプレーではなくて、一番の土台であるリバウンドのところで頑張ってくれています。今日もリバウンド、昨日もリバウンドで貢献してくれました」と話します。

もともとはオールラウンドで華やかなオフェンスが目に留まる存在だった渡部選手。学年が上がるごとに泥臭い仕事にも注力できてきたことは、チームにとっても彼女の将来にとっても大きな出来事です。

大会後にはアーリーエントリーでシャンソン化粧品 シャンソンVマジックに入団することが決まっています。三田松聖としては彼女が W リーグでプレーする初めての選手となります。そんな渡部選手について初谷コーチは「骨組みは教えられたかな思うので、あとは肉付けをしていくことと、プロとしての自覚を持つこと。すべてにおいて戦いになってくると思うので、松聖で学んだ土台を軸にめちゃくちゃ飛躍してほしいですね」と期待を込めます。

ただ、まだ渡部選手と三田松聖の「SoftBank ウインターカップ2024」は終わりません。次戦の相手は第 2 シードの岐阜女子 (岐阜①) です。渡部選手はこう意気込みました。

「岐阜女子が勝つやろと言われていると思いますし、相手のほうが高さなどの上回っている部分は多いと思います。でも、その中でも自分たちのスキルや組織力を出し切って、見ていて面白い試合ができるように頑張りたいと思います」

1、2 回戦を共に80得点オーバーで突破してきた三田松聖と、東海大学付属福岡 (福岡②) との 2 回戦をロースコアゲーム (50-46) で制した岐阜女子。どんな試合展開になるのか、非常に楽しみです。

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